HITS水田放牧研究会(仮)~山口県長門市の水田放牧を視察~

 昨年10月、HITS内で密かに水田放牧研究会という企画が立ち上がりました。

 

 今回は研究会の活動の第一歩として、全国でも水田放牧の先進地である、山口県長門市三隅地区にある「農事組合法人 アグリ中央」を、多くの方のご協力をいただいて、見学させて頂くことになりました。

 

 

 詳細な報告は2月6日のHITS総会で行う予定ですので、このブログでは写真を交えながら簡単なレポートで、水田放牧の取り組みを紹介したいと思います。

長門市は山口県の日本海側にある人口3万6000人の小さな町です。

気候は対馬暖流の影響で温暖であり、冬期は雨の多い山陰型の気候です。

 

 富山のような大雪に見舞われることはないようですが、放牧のされている三隅地区の農地の多くは中山間地域であり、段々畑のような場所で生産活動を行っています。

 

 

 私が訪問したのは冬真っ盛りの1月25日でしたが、朝8時30分の時点で12度ありました。

 

 海に面していることが影響しているのか、ぽかぽかとした柔らかな暖かさを感じました。

 (農)アグリ中央は組合員数77人、全面受託の面積は20haほどの営農組合です。10の部会があり、中でも直売所部は年間5000万円を超える売上をしています。

 画像は、今回の視察で案内をしていただいた長門市役所の種池様です。

 ご自身でもこの直売所に野菜を出荷されています。

 種池さんと共に放牧している圃場を案内してくれた、従業員の庄さん。

とても可愛らいい人です。

 お二人の案内で実際に放牧をしている圃場を見せていただきました。

今の時期は冬なので放牧はしていませんが、放牧をすることで遊休農地の草管理が十分にできていることを学ぶことができました。

 放牧する農地には牛の水飲み場が必要になります。

こちらでは、古い家のお風呂を再利用して水飲み場を作っていました。

 

実際に放牧をしている夏場だと給水を毎日する必要があるようです。

場所的に地代を払えるような農地ではないため、用水のあたりも悪く、軽トラに水を入れたタンクを積んで運ぶそうです。

排水性が悪いため、額縁明渠を掘ってある
排水性が悪いため、額縁明渠を掘ってある
田んぼを移動する道はいつも同じなため、通り道の畦が若干くずれている
田んぼを移動する道はいつも同じなため、通り道の畦が若干くずれている
夏の暑さに弱い牛を保護するため、寒冷紗をかけて日陰を作るためのパイプ建ての簡易日陰がある
夏の暑さに弱い牛を保護するため、寒冷紗をかけて日陰を作るためのパイプ建ての簡易日陰がある
隣の圃場では、牧草イタリアングラスが栽培されていた。
隣の圃場では、牧草イタリアングラスが栽培されていた。

 牛たちは冬期のあいだ、山にある牛舎で生活しています。

 

 ここで飼われている牛はすべて黒毛和種の繁殖牛です。

繁殖牛とは将来肉牛となる子牛を産む牛のことです。生まれた子牛は肥育農家に売りわたされます。

現在黒毛和種の子牛は1頭50万を超える高値安定状態なため、安定した経営ができているようです。

 牛舎の中にはエサとなるWCSのサイレージが用意されています。

冬期のエサを確保することが、放牧のキモとなりそうです。

 牛の体調管理は技術と知識のいる仕事です。

この写真はもぐさを使ったお灸をしているところです。

 

牛は気持ちよさそうにおとなしくお灸されていました。

 牛舎の外は山間地の放牧場になっています。

山の反対側まで、1枚の放牧地になっており、急傾斜ですが牛にとっては全く問題ないレベルだそうです。

外周は電気柵がぐるっと張り巡らされており、脱柵のないようになっています。

 

また放牧もすごいですが、近年荒れ放題になっている山が多い中、綺麗に皆伐して山地の管理をされていて、その点も素晴らしいと思いました。

 こちらは去年12月に生まれたばかりの子牛です。

放牧牛は生きものであるため、出産や異常があると24時間駆けつけなければなりません。

 WCSをロールするロールベーラ。トラクターに装着できます。

 もっとも民家に近い場所にある放牧地。

左から小中学校、市役所支所、民家、写真右の外には三隅地区の大動脈である県道191号線が通っています。

車や生活音がストレスにならないか質問したところ、牛もすぐ慣れるのでとくに問題はないそうです。

また、小中学校が近いことから、非行少年にいたずらされないかという心配には、

「このへんに悪い子いないよー、たまに小学生が見に来るよ」ということでした。

 放牧地の雑草で注意が必要なのは、バラ科の植物です。

見つけ次第、すぐ取り除いてやる必要があります。

 

ほかの雑草は、牛の食べやすい柔らかいものから食べていくようです。

外来種のセイタカアワダチソウなども問題なく食します。

 

 以上ダイジェスト版として、レポートにしてみました。

詳細は6日のHITS総会で行いますので、当日いろいろ質問してください。

 

倉庫に保管されているサイレージ
倉庫に保管されているサイレージ
加工所ではモチやかき餅、巻きずしを作っています
加工所ではモチやかき餅、巻きずしを作っています
巻きずしはおみやげで買って、帰りのサンダーバードの中で食べました。
巻きずしはおみやげで買って、帰りのサンダーバードの中で食べました。
銘酒獺祭は精米歩合39%の純米大吟醸
銘酒獺祭は精米歩合39%の純米大吟醸
手打ちうどん「どんどん」の肉天ぷらうどん
手打ちうどん「どんどん」の肉天ぷらうどん
冷凍車の荷台を解体して利用している冷蔵庫
冷凍車の荷台を解体して利用している冷蔵庫
注文を受けて作っているようです。
注文を受けて作っているようです。
代表理事の鈴木さん。多角経営の一環のこの直売所では年間5000万の売上があるそうです。
代表理事の鈴木さん。多角経営の一環のこの直売所では年間5000万の売上があるそうです。
山口名産ふぐのたたき。厚切りです。
山口名産ふぐのたたき。厚切りです。
長門市はブロイラー農家も多く、焼き鳥も名産です。
長門市はブロイラー農家も多く、焼き鳥も名産です。

 

 このたびの視察を受けて入れてくださいました、長門市アグリ中央の皆様、長門市役所 種池様には大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。

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コメント: 2
  • #1

    よっしー (水曜日, 26 2月 2014 21:57)

    素晴らしいレポートありがとうございます。おもしろい取り組みですね!とてもよくわかりました。視察、お疲れさまでした!!

  • #2

    中川 雅貴 (土曜日, 01 3月 2014 08:46)

     4年後には現在の転作・生産調整が廃止の方向で見直しになりますので、そこら中で耕作放棄田が発生するとおもっています。
     水田放牧もその対応手段だとおもっていますが、ハードルも高いので今すぐ実施する話ではなく、今後の展開の一つとして、情報を仕入れてきました。

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